追記:『AG03MK2』(新モデル)が発売されます
1年ちょっと前にYAMAHAのオーディオインターフェース『AG03』を購入しました。
ご存じのかたも多いでしょうが、メーカーが「ウェブキャスティングミキサー」と謳っている、動画配信に特化した音響機材です。
この手の機材の操作が苦手な私ですが、そんな私でもこの「AG03」をおススメできる点がいくつかありますので紹介していきます。
つまみやボタンは直感操作で
私は大の面倒くさがりで、基本、取説は見ないのですが、ほとんどのボタン類は表記された機能の名称を見ただけですぐに理解できました。
音響機材にこういう「電源ボタン」がないのはわりと普通です。少なくとも私が昔使っていたBOSSのマルチエフェクター(楽器用)にはそんなもの存在してませんでした。
電力の供給元であるUSBをいちいち抜き差しする必要がないので、これが付いているのは地味にありがたいです。
②のつまみには「ゲイン」と書かれているので、③のスライダーのほうはおそらく「ボリューム」の役割です。
ただ、それぞれの形状から察するに、普通の音響機材のような使い分けとは異なる気がします。(主観です。)
②のつまみであらかじめ音量の最大値を設定しておき、動画配信中は③のスライダーを上下させながら音量をコントロールするような感じではないでしょうか。(配信中にスライダーの操作でいきなり爆音、という状況を未然に防ぐがゲインの役割?)
私の場合はリアルタイムでの配信ではなく動画収録のみに使用しているので、この「スライダー」はハッキリいって邪魔です。マイクやイヤホンのケーブルが触れてしまい、いつのまにかボリュームが下がってしまってることがたまにあります。個人的には、代わりに「音声ON/OFF」ボタンにしてほしかったところ。
モニター用(配信や収録しているあいだの音声をチェックするため)に接続してある、ヘッドホンやイヤホンの音量調整のつまみとスイッチです。
(※パソコンに送信する音量とは無関係です。あくまで耳に入る音のボリューム調整。)
④は音量の調整、⑤はモニター音声のON/OFFのためのスイッチです。
入力端子が豊富 – とりあえず大体の入力機器はイケる
① はマイクの接続によく使われる「XLR端子」。マイクを2機使用したいかたは『AG06』のほうを購入すればよいかと。
②はヘッドセットを使用するときの端子。これがついているところが今どきの機材という感じがします。
③はヘッドホンの端子。私の場合は端子部分を抜き差しすることが多いので、②の端子の負担を減らすため、ふだんは③の部分にミニピンへ変換するプラグを挿しっぱなしにし、こちらをメインで使用しています。
結構いろんなことがやれる
コンプレッサー/イコライザー/エフェクト
「COMP/EQ」は音を調整するスイッチです。
これについては、PC接続用のドライバーとは別途で、専用のソフトをインストールする必要があります。このソフトを使えば音をいろいろと弄れるようですが、私は使ってません。
「EFFECT」は音楽に、室内で反響しているような効果を与えることができるスイッチです。配信用で使ってるかたはきっと、キメ台詞のところなどでONにしたりして遊んでますよねぇ。(やってないかな…)
BGMを流すのが初心者でも余裕
ココが一番、この機材を推したいところです。
「DRY CH 1-2G」は、入力された音をそのままパソコンなどに送信してくれます。パススルー的な感じ、と例えればいいのかな。
「INPUT MIX」は、ステレオミックスされた音を送信。通常はこれにしておけばまちがいありません。
「LOOPBACK」は、USBで接続しているパソコンなどから音楽などをリアルタイムで取り込んで、それをまたパソコンに送信して(もどして)くれます。BGMを流したいときなどはコレ。
ただ、技術的にはおそらく「LOOPBACK」のほうが優れた機能といえるので、そっちを使ってるかたのほうがたぶん多いのかな。
音量が適正かどうか視認できるのは地味に便利
ここのランプを見れば、入力ボリュームがちょうどよいかどうか、ひと目で分かります。
(音割れ防止)
緑のみが点灯 →「ちょうどよい」
緑と赤が点灯 →「ボリュームが大きすぎ」
電力供給
右側の端子からUSB2.0でパソコンに接続。
パソコンへの音声データの送受信と電力供給はケーブル1本で完結します。
左側はパソコンに接続せずに使用する場合の電力供給端子(マイクロUSB)。モバイルバッテリーも使用可です。
新モデル『AG03MK2』【追記】
来月、新モデルが発売されるとのことで、メーカーのサイトでちょっとだけ調べてみました。(※あまり詳しく調べると欲しくなっちゃうので。)
新モデルについては気になった変更点だけ。
- 本体カラーが黒と白の2色展開。
旧AG03は白のみ。 - マイク音声のミュート(消音)ボタンの追加。
ほら、やっぱり必要ですよねー。 - 4極プラグ(スマホのイヤホンに使われている端子)に対応。
まちがってるかもしれませんが、私の認識では2極→モノラル、3極→ステレオ、4極→双方向。つまり、AUX端子はスマホ方向にも送信できるようになったってことなのかな? - 電力供給がUSB-Cに変更。
これは必然。
旧モデルと見た目はさほど変わっていませんが、「内部回路の改善による音質向上」、「新ソフトの導入」などなど、内部的にはかなり進化しているようです。旧モデルは発売からすでに7年ほど経ってますから、当然でしょうね。
「MK2(マークツー)」の名前のとおり、旧AG03の神機能は残しつつ。『AG03』の名をそのまま継承させるあたり、この機種へのメーカーさんのこだわりや思い入れが感じられます。これから幾度モデルチェンジしようとも、「エージー・ゼロサン」の名前だけはずっと引き継いでほしいですね。
1年間使用しての感想
『AG03』は現在の最安で1.5万円ほどと、「オーディオインターフェース」としてはお世辞にもお手頃価格とはいえません。>>追記(後日):新モデルのAG03MK2がすでに発売されていますが、旧モデルの価格の高騰はもはや手が出せるレベルではなくなりました。
現に、似たような製品はたくさんありますし、もしかすると音質はどれも大差ないのかもしれません。
ただ、日本製ということもあって、機能やそれらの配置は洗練されており、「初心者にも分かりやすく」というYAMAHAさんの工夫が随所に見られます。
「初心者」とはもちろん1年前の私のこと。この手の機材に対してまったく無知だったわけですが、小一時間ほどで仕組みや使い方をほぼ把握できた印象です。(取説未読。)
お財布がイタいのは購入するときだけ。機能に不満が出ての「買い直し」はもっとイタい。
その点『AG03』は、「買い足し」はあっても「買い直し」はないなぁ、と思える神機材でした。
基本コンセプトは変わっていないようですが、新機能や変更点については記事の最後のほうに追記しました。