みなさんはセル内の文字列の先頭や末尾に文字を入れたい場合にはどうしてるでしょうか?
いくつか方法はありますが、そのうちの一つ、いちばんお手軽であろう方法を今回はご紹介します。
置換とは?
まずは「置換」についてです。
(※「置換」をすでにご存じのかたは次の段落へ進んでください。)>> 次の段落へジャンプする
セル内の任意の文字列を一括で入れ替えたいときこの「置換」を使います。
業務の記録やメモ書きなどにExcelを利用されているかたにとっては特に欠かせない機能です。
「置換」を使うのは、下のようなメモ書きで、たとえば「□未配布」の部分を一括で「■配布済み」に置き換えたいような場合。(↓)

まず対象のセルをドラッグでまとめて選択したあと、Ctrl+Hで「置換」のダイアログを表示させる。
置き換え前/置き換え後の文字列をそれぞれ入力し、「すべて置換」をクリックします。

すると指定した文字列がすべて入れ替わります。

また、「■配布済み」の文字列を一括で削除したい場合も同様です。
Ctrl+Hで「置換」を呼び出し、置き換え後の部分を空欄にするだけ。

※「■配布済み」の文字列の前に入れてある全角スペースもこの操作に適用されます。
これで「■配布済み」という文字列と全角スペースが一括で削除されます。

文字列の末尾に別の文字列を追加する
ではここから本題です。
先ほど消してしまった「■配布済み」という文字列を、逆に末尾(または先頭)に追加したい場合はどうすればよいでしょう。
いったん削除してしまうと、末尾に特定の文字列でもないかぎりはもう「置換」は使えません。
ここからは簡単な数式を利用して文字列を追加する方法です。
…と、この方法には2つほど準備が必要なのでそちらから。
準備① >>表示形式
まずはセルの表示形式がデフォルトの「標準」になっているか確認しておくこと。
私はすべてのセルの表示形式を「文字列」にして使っているシートがけっこうあるので、その場合はあらかじめ全体を「標準」にしておく必要があります。

もともとの表示形式は「標準」ですから、このあたり何も弄ってない人ならそのままで大丈夫です。
表示形式をあとから変えると多少ややこしいことになってしまいます。
準備② >>ショートカットの登録
下のリンクから、Ctrl+Shift+V(テキストのみを貼り付け)のショートカットキーを登録しておきます。
記事にはWordでの登録方法が書かれてありますが、Excelも方法は同じです。
>>テキストのみを貼り付けるショートカットキーを登録する方法
ちなみにWordなら右クリックで出てくる下の画像のアイコンは、Excelでは出てこないのでショートカットで対応するほかありません。

ではここから文字列の末尾(または先頭)に別の文字列を追加する手順に入ります。
先ほどの例で削除してしまった「■配布済み」の文字列を末尾に追加してみます。
もとの文字列の近くにあるセルに以下の式を入力します。(↓)
=B2&" ■配布済み"

「B2」の部分は開始セル(もとの文字列があるセル)を指します。(※手入力してもいいですが、「=」を入力したあとに開始セルをクリックすれば自動で入力されます。)
「&” ■配布済み”」は新たに追加する文字列です。
少し分かりづらいかもですが、もとの文字列と間隔を空けて見やすくするために■の前に全角スペースが入れてあります。
Enterを押して入力を確定させると、末尾に文字列が追加されているように表示されます。

ただ、このセルを再度アクティブにするとまた式にもどってしまうので、実際には文字列ではなくまだ数式であることが分かります。

数式を文字列に変換するのは後回しにするとして、そのままセルの右下の部分をドラッグします。

すると以下のセルも同様に末尾に文字列が追加された状態になります。

あとはこれを左側にコピペで上書きすれば完了なのですが、Ctrl+Vや通常の貼り付けアイコンを使って数式のままコピペするわけにはいきません。
コピーしたあと、先ほど登録したCtrl+Shift+V(テキストのみを貼り付け)のショートカットキーで貼り付けます。

(↑)もとの(左側の)文字列が変わってしまったせいで右側のセルはおかしな表示になっていますが、左側には文字列として正常に追加されているので問題ありません。
あとは不要になった右側のセルを選択し、Deleteで値を消去すれば完了です。

先頭に追加したいときは?
今度は先頭に「■配布済み:」の文字列を追加してみます。
先ほど末尾に追加したときの、「&」の前後を逆にした式を入力します。(↓)
="■配布済み:"&B2

Enterで入力を確定させると、先頭に文字列が追加された状態になります。

残りの手順は末尾に追加するときと同じです。 >>先ほどの手順までもどる
ショートカットを使わずに貼り付けるには
貼り付けにショートカットを使わない場合は、右クリックから下の画像のアイコンをクリックして「値の貼り付け」をおこなうとよいです。

もしそのアイコンが表示されていない場合には、その下にある「形式を選択して貼り付け」をクリックし、ダイアログ内で「値」を選択すればよいでしょう。

ともあれ、毎回右クリックは手間ですし、どのアイコンだったかを忘れてしまう可能性もあります。
Ctrl+Shift+V(テキストのみを貼り付け)を登録しておけば、別の場面でもそれを使う機会がきっと出てくるので、登録しておくことを再度おススメして終わります。(↓)



「別項目として列を追加すればいいのでは?」というご指摘は今回はナシでお願いします。