声を録音するためのブースを、吸音スポンジと段ボールを使って自作しました。
目的は、反響音の軽減と環境音の排除の2つです。
コンパクトな防音設備は立てかけタイプやボックスタイプなどが市場には出回っていますが、正直それに数千円から数万円のお金をかけたくなかったわけで。
幸い、吸音スポンジや防音シートなどは安価で売られていますから、どのくらいお手軽に作れるものか今回チャレンジしてみることにしました。
防音とは?
そもそも『防音』の定義はよく分かりませんが、防音のためのパネルやシートはざっくり2種類あるようです。(まちがってたらスミマセン。)
外部の環境音を排除するなら「遮音」タイプ(↓)
自分の声の反響を抑えるなら「吸音」タイプ(↓)
ちなみに市販のブースでもしっかりした製品なら、
外面に「遮音シート」、内面に「吸音シート」みたいに2層になってるものが多いようです。
今回はお試しで作ってみるつもりですから、そんなにおカネはかけられませんし、そもそも材料費が市販のボックスより高くなっては意味がない。
そんなわけで今回使用したのは吸音タイプのみです。
準備/材料
吸音材にはスポンジのものを注文しました。
30×30cmが12枚入りで1,600円です。
おカネを出して準備した材料はこれだけ。
ペッタンコで届いたときは驚きましたが、袋を開けたら一瞬で膨らみました。
商品ページに「高密度」と書かれてありましたが、体感かなり軽いです。
ブースの成型には「段ボール」を使います。
もとのサイズ・形状をそのまま利用すれば強度もある程度は保てますし、なによりお手軽です。
それに段ボールには少しですが遮音効果もあるようなので、防音ブースの材料にはもってこい。
ちなみに、綾鷹の段ボールがいちばん遮音効果は高いらしいです。(ウソです。)
あとは接着にボンド・グルーガン・面ファスナー。(製作費用には含んでません。)
専用ボンド
グルーガン
面ファスナー
スポンジを接着するにはやはり「ボンド」が最適です。
ワタシは前回のパイプ椅子の張り替えの際に買い足しておいたボンドを使用するつもりでしたが…。
1本目と同じものをと思って追加で2本掴んだつもりでしたが、陳列棚にちがうタイプのが混じっていた模様…( ノω-、)オーマイガ
ボンドには対応の材質が決まっていて、ちがうタイプのもの、たとえば木工用ボンドなどではくっつきません。
ただ、「ポリプロピレン」対応のほうがほとんど残ってなかったので、今回スポンジの接着にはグルーガンを使ってみることにしました。
結果を先に言うと、上から圧力をしっかり加えればグルーガンでもとりあえず接着はできました。
グルーガンは垂れてもベタベタしませんし、剥がして張り直しもカンタンなので、失敗を気にせずガンガン使えます。
ただ、取り回しが楽な分、接着力はボンドに劣ります。(強く引っ張れば剥がれそう、ってこと。)
製作
ここから製作です。
…とはいってもスポンジをカットし、段ボールのボックスの内側に貼り付けていくだけ。
側面の貼り付けの向きは失敗しましたね、奥を見るとかすかに隙間が見えています。(↓)
マイクとアームを通す穴をあけ、フタの部分は面ファスナーで留められるようにしました。
マイクとアームを通し、フタを閉じてみるとこんな感じ。(マイクはAT2040)
これでテスト録音をしてみると、ことのほか良い感じだったので、もともとのボックスのフタ部分にも追加で貼り付けました。(…というか そのままでは奥行きが足りなかった。)
防音効果とその後
まず、吸音スポンジの本来の効果は「反響音の軽減」ですが、こちらはほぼ完ぺきです。
若干音が籠ってしまい、広がりや開放感こそ損なわれるものの、エコーのような反響音はほとんどなくなり、その上、声の外部への音漏れも体感5分の1くらいになりました。
あとは「環境音の排除」のほうは、
ボックス外側に”遮音シート”を貼るなどしてませんが、これでも車が通るときの路面の音や雨音、換気扇の音などはほぼ無くなりました。(*録音部屋は交通量の多い幹線道路沿いです。真上には換気扇。)
ただし、バイクやマイクの排気音に対しては効果なし。
特にスポーツ車のマフラー音などはぜんぜんムリです。
これは後日ですが、マイクを通していちいち設置するのが面倒になってしまったので、段ボールに吸音スポンジを1枚貼り付けただけの小さいパネルを作りました。(5分で製作)
ノーパソ用のスタンドに立てかけて、録音時に正面(マイクのうしろ)に置くようにしてますが、なかなかいい感じです。
環境音に対する防音効果こそ皆無ですが、たったこれだけで体感で50%くらい音漏れが軽減できているので、作るならこちらもお手軽でおススメです。
録音中にパソコンのモニターも見やすいですし、結局コッチのほうがよく使ってます。
お・わ・り