今回ご紹介するのはBehringer(ベリンガー)のオーディオインターフェース『UM2』です。
この「UM2」、他社のオーディオインターフェースと比べるとデフォルトのゲインがわりと大きめで、他の機材やソフトなしでも一定の音量が稼げます。
これまで音質についてはあまり気にせず使用してきましたが、定番のYAMAHA「AG03」とどのくらい差があるものか、一度比較してみようという今回の企画です。(*音質比較は記事後半で。)
UM2の仕様
それでは外観や機能についてザックリと。
外観はこんな感じです。
プラ筐体が若干チープな印象で、重量はメチャメチャ軽い。(=持ち運びには最適。)
左側はマイク用の「XLR端子」。
真ん中の「INST 2」は楽器などを、右側はモニター用のヘッドホンを繋ぐ端子です。
ちなみに「DIRECT MONITOR」のボタンをONにすると、パソコンを介さずに直でモニターできます。(※遅延ゼロでモニターが可能。)
一般的な3.5㎜端子のヘッドホンを挿すには、6.35㎜に変換するコネクターが必要です。(300円くらい)
左側のつまみでマイクのゲインを調節。
最後に背面です。左側は昔ながらのRCA出力端子。
真ん中はパソコンにUSB接続する端子で、電力の供給も兼ねます。(*AC電源は不要)
右側にはケンジントンロックに、ファンタム48Vのスイッチ。
ファンタムONにすればコンデンサーマイクなどの機材も使用可能です。
録音して比較
それではテスト録音です。
今回もWindows標準のボイスレコーダーを使用しました。
音量の微調整のみ(※78db)、本来の性能そのままの音声です。
検証でUM2の問題点が浮き彫りになりますが
記事の後半にちゃんと解消法があります
マイク①(audio-technica_AT2040-XLR)
マイク②(SHURE_PGA58-XLR)
マイク③(SHURE_WH20-XLR)
ノイズがヤバいな…
UM2の問題点と解決策
音質については何ら問題なく、この価格帯のオーディオインターフェースとしてはむしろ優秀といえるでしょう。
…とはいうものの、UM2はホワイトノイズがスゴイ・・・^^;
実は今回、Windowsの標準ドライバーで録音しています。
ちなみに、ベリンガーの専用ドライバーならゲインが抑えられた仕様になってるので、そちらをインストールすれば気にならない程度までノイズは軽減できるらしい。
ただ、このメーカーさんのドライバーはいろいろと不具合も報告されてます。
そんなわけで、Windowsのドライバーのままでノイズへの対処です。
こんな感じの設定にしていることが、ノイズの原因になっている模様。(↓)
Windowsのゲインをついつい100%にしてしまうのは、ふだんゲインの弱いAG03を使用してるからなのですが。
UM2を使用時は、このくらいで調整してあげます。(↓)
ゲインを調整後
─ UM2×AT2040 ─
…そうするとこんな感じ。
ノイズはほとんど気にならない程度になります。
Windows側の「54%」という設定は、UM2をパソコンに接続したときのデフォルト値です。
分かりやすく言うと、UM2本体のゲインだけ常にMAXにしておけば、接続し直したあともWindowsの設定をわざわざ弄る必要がないので、ふだんの取り回しが楽チンです。
その後の検証から、ワタシの用途(講義の収録)では、Windowsのボリューム80%くらいまでは実用に耐えうることも分かりました。
この程度のノイズであれば、あとはOBSのほうで”しきい値”など調整すれば、音質の劣化は最小限で、ノイズもきれいに消えてくれます。
これもおススメ
話は変わりますが、ネットで調べてみたら、このノイズの問題はベリンガーのほかの機材でも起こるようです。
とはいえ、前述の方法でこのノイズは解消できるわけですから、唐突ですが、同じベリンガーでおススメはこちらUSB302。(↓)
AG03と遜色ない機能をもってるわりにお手頃価格ですし、現状UM2のほうは実売価格が上がってるので、多機能のUSB302のほうが断然コスパ良です。(←ヘッドセットを繋ぐ端子もあるので、動画配信には最適です。)
結論
結局、要は使い方次第ってことですね。
今回検証したUM2は機能がシンプルな分だけ、逆に初心者には扱いやすいうえ、設定のミスも起こりにくい。
「ただマイクを突っ込んで声を録音できればイイ」って人には、UM2は打ってつけの機材でしょう。
以上、お・し・ま・い。