Microsoft Wordなどのソフト上やブログなどのウェブ上などで、イラストやロゴなどの画像を処理する際に、背景色がじゃまになることがあります。(↓)

下のような、背景のない (背景が透明な) 画像形式を『透過PNG』といいます。

この記事の内容は、上のように画像の背景を透明化(透明に)する方法です。
Word/Excel/PPTで背景なしにする
ワード、エクセル、パワーポイントなどのソフトを使って画像(図や写真など)を編集する際に、複数の画像を組み合わせたいようなときがあります。


挿入した画像は、画像を選択した状態で、「書式」>>「文字列の折り返し」>>『前面』or『背面』にし、あらかじめ自由に移動できる状態にしておく必要があります。

白い背景を消す
『透過PNG』という形式の画像なら 2つの画像をきれいに重ねることができるのですが、それ以外の一般的な画像では白い背景が残ってしまいます。

この白い背景を消すために、画像を選択した状態で、「書式」>>「色」>>「透明色を指定」を選択。

白い背景の部分をクリックします。

すると、背景が消えて画像のみになり、きれいに重なった画像の完成です。


背景なしの画像を保存する
あとあとの手間を省くために、『透過PNG』という背景なしの形式で保存しておくことができます。
ただし、「図として保存」で画像を保存してしまってはダメ。
それでは背景あり(白)の状態でまた保存されてしまいます。

背景なしの状態で保存をするには、あとひと手間が必要です。(→次へ)
画像をペイント3Dで保存する
先ほどの画像を、『ペイント3D』というWindows標準のソフトを使い、『透過PNG』という形式で保存する方法です。
まず、右クリックで画像を「コピー」をしておきます。
(*または Ctrl+C でコピー。)

次に「ペイント3D」を開き、「新規作成」を選択。

ペイント3Dの編集画面が開かれたら、画面上の『キャンバス』のタブを選択し、『キャンバスを表示する』と『透明なキャンバス』をどちらも「オン」にしておきます。

キャンバス内(画面の中央付近)にカーソルを合わせて右クリックし、先ほどコピーしておいた画像を貼り付けます。(*または Ctrl+V で貼り付け。)

画像が貼り付けられたこの状態で、すでに背景なしの画像(透過PNG)になってはいますが…。

このまま保存してしてしまうと、画像に対して背景エリアが大きすぎるので、背景 (キャンバス) を適当な大きさにします。

ここでの目的は「キャンバスのサイズだけを変更」することですから、ここではそれぞれのチェックマークを外しておきます。(*ピクセルで数値を入力して調整する場合も同様。)

「キャンパス」の項目の設定が終わった(チェックマークを外した)ので、キャンパスのサイズを変更します。
4隅のマークをドラッグして、キャンバスを小さくします。


キャンバスを適当な大きさにすることができたら、画面左上の「メニュー」から「保存」をクリックします。



任意のファイル名を入力し、保存すれば『透過PNG』が完成です。

これらの方法でできないときは?
実は、ここまでの方法では背景だけを消すことができない場合もあります。
《例》白い帽子を重ねたいとき

先ほどと同じように背景に透明色を指定すると、帽子が透けたようになってしまいます。

「透明色を指定」は、背景と認識して透明にしているわけではなく、単に白い部分を透明にするだけなのです。
ですから、白の塗りつぶしがある画像の場合は、画像挿入してから背景を消すのではなく、初めから『透過PNG』として保存してあるものを挿入しなければなりません。(→次へ)
ペイント3Dだけで透過PNGを作成する
では次に、白の塗りつぶしがある画像の、背景だけを透明にする方法です。
『ペイント3D』のみで透過PNGを作成します。
エクスプローラーから、対象の画像ファイルを右クリックし、ペイント3Dで開きます。

ペイント3Dが起動したら、まず「マジック選択」をクリックします。

「次へ」をクリックします。

次の画面で、透明にする部分とそうでない部分を選択します。
(*下の画像では、まだ、帽子の内部が透明な状態。)

帽子の内部は、白く塗りつぶされた状態で色を残したいので、『追加』(鉛筆のマーク) をクリックし、色を残したい部分を斜めに横切って選択します。

一度ではうまくいかない場合もあります。(下の画像↓)
このときは、『追加』(色を残したい部分)と『削除』(透明にしたい部分)を使って、部分的に手直しをしていきます。

下の画像のようになればOKです。『完了』をクリックします。

キャンバスのなかから帽子の画像だけを切り取った状態(帽子の画像だけが浮いているような状態)になるので、画像の上にカーソルを置いて右クリックし、画像をコピーしておきます。

ペイント3Dの編集画面は開いたままで、新たに別ウィンドウでペイント3Dを『新規作成』で起動します。

ここからの手順は、ワードやエクセルなどからコピペする場合と同じですが、念のためおさらいを。
画面上の『キャンバス』のタブを選択し、『キャンバスを表示する』と『透明なキャンバス』をともに「オン」にしておきます。

キャンバス内にカーソルを置いて右クリックし、コピーしておいた画像を貼り付けます。
(*または Ctrl+V で貼り付け。)

画像に対して背景のエリアが大きすぎるので、背景 (キャンバス) を適当な大きさに調整します。

キャンバスのサイズを調整する前に、「縦横比を固定する」「キャンバスでの画像のサイズ変更」のチェックマークを外しておきます。

4隅のマークをドラッグし、 キャンバスを小さくします。


キャンバスが適当な大きさになったら、画面左上の「メニュー」から「保存」をクリックします。



任意のファイル名を入力し、保存すれば完成です。

以上、Windowsの標準ソフトのみで透過PNGを作成する方法でした。



上記の場合はもちろんですが、「わざわざワードなどのソフトを起動させるよりも手間が少ない」というのも『ペイント3D』を使う理由のひとつです。