先日購入したばかりのパソコン工房のミニタワー『STYLE∞ M-Class』。


今回はCPU、グラボ、ストレージの性能や発熱など検証していきます。
前回までの記事で開梱レビューとパーツの増設などをやってますので、興味のあるかたはまずそちらからどうぞ。(↓)
全体の仕様
内部の構成はざっとこんな感じです。
CPU | Intel Core i5-14400F |
グラフィックス | GeForce RTX 3060 12GB GDDR6 |
メモリ | DDR5-4800 DIMM(16GB×2) |
メインストレージ | NVMe Gen4 SSD(2TB) |
チップセット | B760 |
電源 | ATX 700W BRONZE |
ゲームがメインのかたには中途半端な構成に映るかもしれませんが、データ処理と動画編集での用途がほとんど…というワタシにとっては、コスパも含めてピッタリの仕様だと個人的には思ってます。
CPU
インテル第14世代CPU

2023年10月に販売が開始されたインテル第14世代CPUの開発コードは「Raptor Lake-S Refresh」。
第13世代「Raptor Lake」の進化版という位置づけとなる、マイナーチェンジ世代と捉えればいいでしょうか。

2024年1月にはTDP65W以下モデルも追加発売されてるよ
第14世代各ラインナップのなかで、先代からコアやスレッドが増量されたのはi7のみで(*Eコアのみ増量)、i9・i5・i3に関してはコアとスレッドは据え置きのままクロックが少しだけ引き上げられた、というのがおおまかなところです。
Core i5-14400F
今回検証する10コア16スレッドの第14世代i5-14400Fは、先月発売されたばかりのTDP65W以下モデルで、先代からの進化の部分ではブースト最大値が若干引き上げられたのみ。
第14世代CPUのなかでは13世代との性能差がもっとも少ないグレードで、価格差もわずかです。
あとは 末尾”F”付きなので内蔵グラフィックスは非搭載。オーバークロックはもちろん不可。


チップセットはローエンドからミドルレンジくらいのBTOパソコンによく見かける、コスパ重視のB760です。
「FCLGA1700」ソケットの第12世代インテル用マザーボードですが、見たところBIOSはちゃんと更新してあるみたいですね。

BTOだからね
Cinebench R23
最新の2024は数値の感覚がまだつかめてないので、従来版のR23で計測しました。
電力制限などかかってるかもしれませんが、BIOSやOSの設定項目はまったく弄らず初期状態のままです。
結果はマルチスレッドが11000pts、シングルが1700pts程度。
i5-14400F本来のスペックを考えれば コレだいぶ低い数値ですが(マルチで推定13000~14000ptsくらいの能力はあるはず?)、とは言ってもOCなしの定格動作なのでこのくらいがまぁ妥当な気もします。
ベンチ中 100%の負荷がかかっても、ファンの音はほとんど聞こえず、CPU温度は80℃を一度も超えませんでした。
パソコンの寿命をムダに縮めないような抑えめの設定は、ワタクシ個人的にはなかなかGOODだと思う。(*そもそも事務用途にこれ以上の性能は必要ない。)


ストレージ
M.2スロットにはNVMeの①Gen4と②Gen3、SATA接続では③2.5インチSSDと④3.5インチHDD。
計4種類のデータ転送速度を『CrystalDiskMark』でそれぞれ計測してみました。
CrystalDiskMark
① M.2 PCIe 4.0(2TB)


② M.2 PCIe 3.0(2TB)


③ SATA 2.5インチSSD(2TB)


④ SATA 3.5インチHDD(6TB)

⑤ SATA 3.5インチHDD(1TB)

SSDのシーケンシャルはどれもメーカーの公称値に近い数値でした。(Writeが若干物足りないものはある。)
SATA-SSDの速度にカンドーしたのがつい最近のように思えますが、M.2 Gen4はそれの13倍の速度はかなりヤバい…。
唯一、外付けケースを取り外してそのまま取り付けたほうのHDD(④)は、ナントUSB3.0接続時よりも速度が出てませんねぇ。
既存のデータを残したまま取り付けたからなのか、このHDDだけDiskinfoの代替処理済みのセクタ数に”異常”が表示されてたので、一度フォーマットは必要かもです。(*それとも寿命か?)
ゲームベンチ
このパソコンでゲームはやれるものなのか、ちょっと気になったのでいちおう計測してみました。
定番のドラクエとFF14ベンチです。(*i5-14400F RTX 3060)
ドラクエベンチマーク
FHD最高品質で『すごく快適』。
CPUとグラボどちらも使用率は終始30%前後をキープで、まったく問題ありませんでした。

FF14ベンチマーク
こちらはデフォルトのまま、FHD高品質で『非常に快適』。
CPUはまだまだ余裕がありそうで、ドラクエベンチではほとんど使われることがなかったEコアも、FFではしっかり動いてたので、このあたりは最適化されてそう。(体感です。)
逆にGPUのほうがボトルネックになってて、使用率が100%に張り付く場面がけっこうありました。
ここは最低でも3060-Tiか4060-Tiくらいの性能は必要なのかなぁ、という印象。(持ってないのでこれも体感です。)
とはいえ、映像は終始カクつくこともなく、戦闘シーンでも滑らかな映像でした。


GPUがすでに限界っぽいので
FF15ベンチのほうはスルーしました
あとは「原神」をインストールして実際に遊んでみましたが、カクつきナシでまったく余裕でした。
動画編集
つい最近まで使用してきたのは第4世代i7(i7-4770)でしたが。
動画編集のシーク時のプレビューがヌルヌル表示されるようになり、エンコードにかかる時間も3分の1程度になりました。
ただ、「動画編集を快適にするため」だけに約20万の投資をした意味はあったのか?と人に尋ねられれば、答えは「No!」。
ウェブ閲覧やWord・Excel程度では4世代i7と比べて体感差はほとんどありませんし(というか、Word・Excelの起動は相変わらず遅い)、動画編集にいたっても操作感は意外にそこまでの差はない。
今回 買い替えを早めたもう一つの理由は、Windows 10のサポート終了を受けて、パソコンの買い替え需要が高まり、世界的にパソコンが品薄になることが予想されるからです。(…というか その状況はほぼ確定している。)
パソコン筐体の小売価格は、パーツの価格に呼応し変動しますから、パーツが品薄になればショップは必然的に筐体の価格を上げざるを得ません。
Win10のサポート期限はもう少し先のことですが、巷の噂では今年中にWin11の大型アプデが来そうな感じなので、その直後くらいが買い替えの好機である気はします。

乗り遅れてしまうと
”品薄で買えない!”って状況も考えられるよね
その他
メインメモリのDDR5-32GB(16GB×2)は、そもそもこんなに必要ないのは分かってたことなので、特に問題ナシです。

RAMスロットが2基しかないので念のための保険です
あと、電源は700Wで、これも事務用途にはかなりオーバースペック…。(500Wでも十分でした。)
ただ、これまで不安定だったバスパワーのUSBハブの挙動は安定するし、bluetooth子機の電波はより遠くまで飛ぶようになるしで、些細なことですが 電源は重要だったんだとあらためて実感してます。
今後のカスタマイズ
必要な部分はすでに増設済みですが。
グラボの下方にM.2スロットがあり、そこに取り付けてあるSPのSSDはデータ転送時にかなり熱を吹きます。

SPは信頼性の面ではわりと安心できるメーカーだけど
M.2、SATAどちらも発熱がけっこう激しいんだよな
ヒートシンクは取り付けてあるものの、それはただ単に熱を効率よく逃がしてくれるだけで、熱を消滅させるわけではない。
現状、SSDのこの発熱はグラボの劣化(特にむき出しのコンデンサあたり)をムダに早める可能性がありますから、近いうちにケースファンを取り付ける予定です。
その様子はまた次回のネタとして。
お・し・ま・い。